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網膜芽細胞腫(網膜芽腫)を患う英国の女性が、着床前遺伝子診断(PGD)により癌遺伝子を持たない胚で妊娠

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2006-05-16 | コメント

遺伝性疾患・網膜芽細胞腫(網膜芽腫)を患う英国の女性が、着床前遺伝子診断(PGD)で網膜芽細胞腫の原因遺伝子変異を持たない胚を選び、その胚を体内に移植して妊娠することに成功しました。出産に成功すれば、癌の遺伝子を排除した英国で初の“デザイナー赤ちゃん”となります。

彼女とそのパートナーは妊娠問題を抱えていたわけではありませんが、癌遺伝子を排除するために体外受精を実施しました。

英国のPGDの第一人者・Paul Serhal氏が彼等の体外受精を実施しました。Serhal氏は、英国のHuman Fertilisation and Embryology Authority (HFEA) から網膜芽細胞腫と大腸癌の一種を選別する許可を取得しています。

HFEAは先週初めにPGDに関する法律を緩和しました。この法律緩和で、多くの遺伝子性疾患の着床前診断が可能となりました。

ただし、PGDを行うクリニックは、各患者毎に個別にPGD実施のライセンスを得る必要があります。

Serhal氏のクリニックは、今後乳癌遺伝子・BRCA1のPGDスクリーニングのライセンスもHFEAに申請する予定です。

網膜芽細胞腫は生後1年以内に起きる全ての癌の11%を占めています。網膜芽細胞腫のおよそ半数は、RB1という遺伝子変異が原因で生じます。この遺伝子変異を有する両親からは、この変異を有する子供が50%の確率で生まれます。そして、この遺伝子変異を有する子供の90%が網膜芽細胞腫を発現します。また、この遺伝子を有する人は、網膜芽細胞腫だけでなく他の癌を発現するリスクも1/3-2倍以上高くなることが知られています。

網膜芽細胞腫の事前団体・Childhood Eye Cancer Trustの代表・Libby Halford氏はこのニュースを好意的に受け止めています。「網膜芽細胞腫のPGDで家族の選択肢が広がる。今や、効果的な着床前テストがあることを嬉しく思う。」

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