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Bavarian Nordic社の第3世代の天然痘ワクチンは従来のワクチンが禁忌な人口集団にも安全に投与できる

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2006-06-09 | コメント

現在アメリカFDAからfast-track薬剤にしてされており、デンマークのBavarian Nordic社が開発している第3世代の天然痘ワクチン・MVA-BN(IMVAMUNE)は、従来の第2世代のワクチンが投与不可能なHIV感染患者やアトピー性皮膚炎患者に安全に投与できると分かりました。

従来の第2世代のワクチンは、致死性の合併症を引き起こす危険があるので、免疫抑制下にある患者、湿疹やアトピー性皮膚炎などの特定の皮膚疾患にかかっている患者、妊婦には禁忌となっています。

残念ながら、現在、これらの特定集団を天然痘感染から守る手立てはありません。

このたび、HIV感染患者やアトピー性皮膚炎患者を含む従来ワクチンが禁忌な150人と従来のワクチン接種が禁忌ではない健康な350人を対象にしたIMVAMUNE vs 従来ワクチン(ワクシニアウイルスをベースにした組み換えワクチン)の試験結果がInternational Conference on Emerging Infectious Diseases (ICEID) において発表されました。

試験の結果、IMVAMUNEは、HIV感染者やアトピー性皮膚炎患者において認容性が高く、重篤な副作用や予期せぬ副作用は認められませんでした。

HIV感染患者やアトピー性皮膚炎患者における軽度から中等度の全身反応や注射部反応の発現率は健常人と同等でした。

HIV感染患者においてIMVAMUNEは5x100000000 TCID50まで安全に投与することができました。また、IMVAMUNEワクチンの注射毎にCD4+ T-細胞数は80 cells/Lほど上昇し、その後ベースラインまで低下していきました。

アトピー性皮膚炎患者において、IMVAMUNEを接種しても種痘性湿疹、心筋炎、心膜炎は認められませんでした。

健常人、アトピー性皮膚炎患者、HIV感染患者全体を通じて、IMVAMUNEは抗体反応とT細胞反応を強力に誘導しました。80%以上が最初のIMVAMUNE接種後2週間以内にセロコンバージョンを達成し、4週間後には全員がセロコンバージョンを達成しました。

この試験は、National Institute of Allergy and Infectious Diseasesから部分的に資金提供を受けて実施されました。

Bavarian Nordic社
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