オスの不妊遺伝子カタログ
Free!プロテオミクス・細胞学的手法・機能解析を組み合わせることにより、受精時に重要な働きをするクロマチン関連タンパク質が線虫の精子において同定されました。
精子のクロマチンの完全性は、雄の受精能とin vitroでの受精能力を示す臨床指標です。精子のクロマチン構造やパッケージングにおいて重要なタンパク質が同定されれば、雄性不妊の一般的な原因が明らかになるかもしれません。
精子形成や卵形成中の細胞からクロマチンを精製し、プロテオミクス解析等を経て132種類のクロマチン関連タンパク質を同定し、これらのタンパク質機の能を解析した結果が2006年9月7日のNature誌に掲載されています。
この132種類の機能解析から、DNAの凝縮や染色体分離、受精能に不可欠な進化的に保存された精子形成特異的タンパク質が明らかになりました。
これらの線虫のタンパク質に相当する遺伝子をマウスでノックアウトすると、37%(7/19)で雄性不妊が起きました。したがって、この遺伝子リストは、雄性不妊の原因の解明と男性避妊薬の標的の同定に役立つと考えられます。

-
Sperm chromatin proteomics identifies evolutionarily conserved fertility factors. Nature 443, 101-105(7 September 2006)
2020-10-13|妊娠・出産
+ 新型コロナウイルス感染妊婦の新生児101人の発症なし〜感染はせいぜい2人
2020-10-12|妊娠・出産
+ 妊娠関連の不具合を被った女性は後に心疾患や脳卒中を生じやすい
2020-10-09|妊娠・出産
+ 胎児水腫の29%の病原性変異が全ゲノム解析で判明〜治療の機会を増やしうる
2020-08-31|妊娠・出産
+ 妊娠14週までの流産女性へのmifepristoneとmisoprostol併用でより胎嚢排出しうる
2020-08-13|妊娠・出産
+ エクソーム解析したところ死産の8.5%が遺伝子どれか1つの変異に起因
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。