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コンプレキシンとシナプトタグミン1のスイッチがシナプス小胞の迅速なエクソサイトーシスを制御している

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2006-10-15 | コメント

シナプトタグミン1へのカルシウムイオン結合は、SNARE複合体の形成によって放出準備を整えているシナプス小胞の迅速な開口放出(エクソサイトーシス)を惹起します。

このカルシウムイオン誘発性の迅速なエクソサイトーシスには、シナプトタグミン1以外にコンプレキシン(complexin)が必要です。シナプトタグミン1とコンプレキシンはともにSNARE複合体に結合しますが、両者の機能がどのように連関するのかは分かっていませんでした。

コンプレキシン結合がSNARE複合体を活性化して準安定的な状態にすることと、シナプトタグミン1へのカルシウムイオン結合が準安定状態のSNARE複合体からコンプレキシンを引き離し、迅速なエクソサイトーシスを引き起こすという仮説が2006年9月22日のCell誌に提唱されています。この仮説は以下の生化学的・生理学的な実験結果を根拠としています。

生化学的には、シナプトタグミン1はSNARE複合体への結合においてコンプレキシンと競合しており、この競合によってシナプトタグミン1はSNARE複合体からコンプレキシンをカルシウムイオン依存的に取り除くと分かりました。

生理学的には、コンプレキシンの局所濃度の上昇がカルシウムイオン誘発性の迅速なエクソサイトーシスを選択的に阻害しますが、SNARE依存性融合の別の形態は保持されると分かりました。

カルシウムイオンで誘導されたコンプレキシンのSNARE複合体からの分離が迅速なエクソサイトーシスを引き起こすというこの仮説により、コンプレキシンの表現型に機能喪失型と機能獲得型があることが説明できます。さらに、カルシウムイオン誘発性の迅速な神経伝達物質放出の高速性と同時性が分子レベルで説明可能となります。

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