米国ニュージャージー州のインフルエンザの世界的流行に備えるキャンペーン
Free!米国ニュージャージー州保健当局Department of Health and Senior Services(DHSS)が、2006年10月1日から、「Get Flu Ready, New Jersey(インフルエンザに備えよう、ニュージャージー)」と銘打ったメディアキャンペーンを推進しています。このキャンペーンは、救急医療対策、衛生状態の改善、インフルエンザに関する情報提供などにより、インフルエンザの脅威に対する住民の意識を高めることを目的としています。
このキャンペーンの背景には、インフルエンザの世界的大流行に対する懸念があります。20世紀に入ってインフルエンザの世界的大流行は3回起こっており、多くの専門家が次の流行がいつ来てもおかしくないと考えています。また、アジアを中心に鳥からヒトへの感染が報告されているH5N1鳥インフルエンザが突然変異して、ヒトからヒトに感染する新型インフルエンザ・ウィルスの世界的大流行が起こる可能性も警戒されています。
キャンペーンでは、各メディアを利用し、インフルエンザの流行に備えた食料や水などの備蓄や衛生状態の改善などを呼びかけるとともに、インフルエンザに対する住民の理解を深めるための活動を実施しています。ニュージャージー州のウェブサイト(www.NJFluPandemic.gov)では、インフルエンザの世界的流行の可能性に関する包括的な情報とリンクを提供しています。
また、ニュージャージー州では、インフルエンザに対する監視体制の強化、抗ウィルス薬やワクチンを配給するための指揮系統の整備、精神的医療ケアの提供などの対策を推進しています。
インフルエンザの流行が起きた場合、850万人のニュージャージー州民の1/4が数週間から数ヶ月で感染すると推定され、飛沫や接触で容易に感染するウィルスに対応するために患者を隔離する医療機関や物資の不足が起こりうると考えられます。このような事態になれば、DHSS長官が医療機関の権限を掌握し、スタッフや患者を移動させる、あるいは、必要な物資を配給するなどの対策を講じることになっています。
さらに、ニュージャージー州では、18500人分の抗ウィルス薬タミフル(Tamiflu)の準備ができており、さらに95万人分(1300万ドル相当)のタミフルや代替薬を注文済みです。これらの薬が実際に入手できるのは早くても来年の春ですが、連邦政府の備蓄から100万人分の薬を確保できることになっているのに加え、多くの病院や企業には抗ウィルス薬の備蓄があると州保健担当者は述べています。
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- N.J. unveils campaign about flu pandemic / AP
- Public Service Announcement -- A Message from Commissioner Jacobs / Pandemic Influenza
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