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肥満手術後の薬剤投与や栄養管理は適切に調整する必要がある

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2006-10-20 | コメント

肥満手術には、食事摂取量を制限する手術や、食事摂取量制限手術と消化吸収を少なくさせる手術の組み合わせなどがあります。ルーワイ胃バイパス術(Roux-en-Y gastric bypass)は、食事摂取量制限手術と消化吸収を少なくさせる手術を組み合わせた処置であり、米国で最も多く実施されている肥満手術です。

この手術を受けた患者に対する栄養管理や薬剤投与について考察した報告が2006年10月1日のAmerican Journal Health-System Pharmacyに掲載されています。

ルーワイ手術を受けた患者には栄養障害のリスクがあり、適切に栄養を補充するにはpHや吸収部位などの要因を考慮する必要があります。また、薬剤の溶解性や吸収表面積も胃のバイパス手術による影響を受けます。

ルーワイ手術では小腸の主要部位をバイパスするため、吸収表面積が劇的に減少します。こうした変化に対処するため、薬剤の投与経路および投与量を調整し、薬剤を適切に吸収させる必要があります。

ルーワイ手術を受けた患者では、吸収期が長い(腸に長時間とどまる)薬剤の生体内利用が減少する可能性が高くなります。また、術後は胃容量が小さくなるため、非ステロイド性抗炎症薬、サリチル酸、経口ビスフォスフォネートなどによる薬物治療に伴う副作用のリスクが増加します。

食事摂取量制限と消化吸収を少なくさせる手術の組み合わせを受けた患者では、胃や十二指腸ですばやく吸収される薬剤の吸収低下がよくみられます。薬剤の吸収低下は、毒性よりも薬剤効果の低下を招くことが多いため、治療効果のモニタリング強化によって吸収障害を検出できます。

結論として、肥満手術を受けた患者に対しては、適切な栄養塩類を選ぶことで栄養補充を改善し、薬剤の性質に応じて投薬形態を調整して薬剤の生体内利用を改善する必要があります。

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