CDC25からの14-3-3タンパク質の放出にはPP2A/B56δフォスファターゼによる調節が必要
Free!DNA損傷や複製阻害がある場合、DNA損傷チェックポイントが細胞周期の進行を停止します。このとき、チェックポイントは有糸分裂活性化因子・Cdc25をSer287部位でのリン酸化により抑制します。このリン酸化によってCdc25と14-3-3タンパク質が結合します。
DNA修復後に細胞周期に戻り、有糸分裂を開始するためにはCdc25からの14-3-3の除去が必要です。
2006年11月17日のCell誌に発表された研究成果から、Cdc25から14-3-3を取り除く仕組みが明らかになりました。
DNA修復中は、チェックポイントキナーゼ・Chk1がPP2A/B56δを活性化し、活性化されたPP2AがCdc25をSer287とは別の部位T138で脱リン酸化することで、Cdc25の抑制が維持されていました。
DNA修復が完了すると、Chk1はPP2Aの活性化を止め、Cdc25がT138でリン酸化されます。その結果、Cdc25と14-3-3の相互作用が弱まります。T138でのリン酸化は14-3-3放出のために必要ですが、これだけでは十分ではありませんでした。
このとき、中間径フィラメントタンパク質がリン酸化され、そのタンパク質に14-3-3との結合部位となる窪みが生じると分かりました。この窪みが生じるおかげで、Cdc25から14-3-3が効率よく放出されていました。
この研究成果から、PP2A/B56δがCdc25の中核的チェックポイントエフェクターであることが明らかになりました。また、Cdc25から14-3-3を取り除き、細胞周期を再開させる一連の機序が明らかになりました。
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