GSKのNucalaが慢性閉塞性肺疾患悪化をプラセボ比で21%減らしたPh3試験報告
 ・ Nucalaの承認申請の状況を短く追記しました。
Merck KGaAがSpringWorks社を買うことが決定
 ・ 誤解を訂正しました(390億ドル→39億ドル)
PD1-VEGF抗体ivonescimabの肺癌初治療がKeytrudaに勝ったPh3試験論文報告
 ・ 誤字を訂正しました(非小細胞肺癌(NSCLC)癌治療→非小細胞肺癌(NSCLC)治療)。

CDC25からの14-3-3タンパク質の放出にはPP2A/B56δフォスファターゼによる調節が必要

Free!
2006-12-31 | コメント

DNA損傷や複製阻害がある場合、DNA損傷チェックポイントが細胞周期の進行を停止します。このとき、チェックポイントは有糸分裂活性化因子・Cdc25をSer287部位でのリン酸化により抑制します。このリン酸化によってCdc25と14-3-3タンパク質が結合します。

DNA修復後に細胞周期に戻り、有糸分裂を開始するためにはCdc25からの14-3-3の除去が必要です。

2006年11月17日のCell誌に発表された研究成果から、Cdc25から14-3-3を取り除く仕組みが明らかになりました。

DNA修復中は、チェックポイントキナーゼ・Chk1がPP2A/B56δを活性化し、活性化されたPP2AがCdc25をSer287とは別の部位T138で脱リン酸化することで、Cdc25の抑制が維持されていました。

DNA修復が完了すると、Chk1はPP2Aの活性化を止め、Cdc25がT138でリン酸化されます。その結果、Cdc25と14-3-3の相互作用が弱まります。T138でのリン酸化は14-3-3放出のために必要ですが、これだけでは十分ではありませんでした。

このとき、中間径フィラメントタンパク質がリン酸化され、そのタンパク質に14-3-3との結合部位となる窪みが生じると分かりました。この窪みが生じるおかげで、Cdc25から14-3-3が効率よく放出されていました。

この研究成果から、PP2A/B56δがCdc25の中核的チェックポイントエフェクターであることが明らかになりました。また、Cdc25から14-3-3を取り除き、細胞周期を再開させる一連の機序が明らかになりました。

この記事に対するコメントをお寄せ下さい

[この記事に対してコメントするには会員登録が必要です]

下記のフォームより、有料会員または無料メール会員のいずれかに登録してください。

[会員登録がお済みの方はログインしてください]

コメント一覧

この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。

会員様ログイン
メール会員(無料)募集中

メール会員登録(無料)をされますと、BioTodayに登録された記事を毎日メールでお知らせします。また、メール会員登録されますと、毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

メール配信を希望される方は、以下の欄にメールアドレスを入力下さい。

◇メール会員登録までの流れ

  1. メールアドレスを入力
  2. 入力したメールアドレスに自動生成されたパスワードが届けられる

後は、自動生成されたパスワードと登録したメールアドレスでログインすると毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

質問検索
BioToday 非会員の方へ

質問を投稿して頂くには、メール会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方へ

質問を投稿して頂くには、ログインが必要です。
下記のリンクからログインしてください。

My Book

バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。