ジペプチジル・ペプチダーゼT欠損マウスは腹部大動脈瘤を発現しない【オープンアクセス文献】
Free!ジペプチジル・ペプチダーゼT(DPPI)は、好中球エラスターゼ、カテプシンG、プロテアーゼ3を含む顆粒関連セリンプロテアーゼの活性化に必要なシステインプロテアーゼです。
DPPIと顆粒関連セリンプロテアーゼは炎症領域への好中球の動員において重要な役割を担っています。
最近の研究で、好中球と好中球に関連したプロテアーゼは腹部大動脈瘤(AAA)の発達や進行において重要な役割を有することが示唆されています。
新たな研究の結果、DPPI機能を欠損したマウスはエラスターゼによって誘導されるAAAの発現に抵抗性を示すとわかりました。
この現象には、エラスターゼによって障害された大動脈壁への好中球の動員の低下とCXCケモカインリガンド(CXCL)2の局所生成の障害が関与していました。
CXCL2を遮断すると、大動脈拡張が有意に低下しました。
この結果から、DPPIや顆粒関連セリンプロテアーゼは疾患大動脈部位への好中球動員に必要であり、これらのプロテアーゼは血管壁の炎症を増強してAAAを招くと考えられました。
- Enzyme critical for early growth of abdominal aortic aneurysms / Press Release
2020-02-19|循環器疾患全般
+ 労して遺伝子情報を得たところで心疾患リスク予想は全くまたは大して改善せず
2020-02-02|循環器疾患全般
+ LPL活性を両極端から助けるCorvidia社ペプチド薬でマウスのトリグリセリド減少
2020-01-25|循環器疾患全般
+ 危険に応じたアドレナリン分泌が心拍を高める仕組みの一翼を担う蛋白質が判明
2019-12-05|循環器疾患全般
+ 運動時の循環前駆細胞(CPC)測定は冠疾患患者の予後予想により有益
2019-12-04|循環器疾患全般
+ 非HDLコレステロール値が高いほど冠疾患や脳卒中を被り易い
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。