抗癌作用を有する未承認化合物を患者が購入している〜研究者の努力を水の泡にする可能性がある
- 2007-03-31 - ジクロロ酢酸(Dichloroacetate、DCA)は正常細胞に毒性を及ぼすことなく腫瘍細胞を選択的に殺傷することが非臨床試験で確認されています(2007年1月10日BioToday)。臨床試験では有効性・安全性は確認されていませんが、カリフォルニアのある男性がこのDCAの販売サイトを立ち上げ、一部の患者がそのサイトからDCAを購入していると分かりました。 (15 段落, 1625 文字)
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「現在の治療に必ずしも患者は満足しておらず、代替となる治療を捜し、実際に未承認薬を使用している患者もいるという状況に関していろいろな側面から考えていかねばらなないと小野先生は言っています。」
ということだが、やはりきちんとした臨床評価計画のもとに使用できるようガイドすることが必要ではないかと考える。
その点で、ボストン大学の生物倫理の専門家・George Annas氏の「癌患者に“何を失うものがある?”と問われたらこう答えざるを得ない。大切な余命が短くなる恐れがあると。」は重要な助言だと思う。
米国では種々の治験内容がネットで検索でき、既存の治療法に反応しない患者は「藁をもすがる思いで」そのような治験に登録する場合があると聞いているいる。同じ「思い」であっても、このようなWCTに参加することでその志が生きてくると思う。もっとも、米国外の患者がそのような治験に登録することは難しいことかも知れないが。
特許もきかない化合物ということで、臨床評価が上手く行けば安価な医薬品となりうることが期待される。慎重に進められることを願っている。