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新しい抗癌剤VELCADEの第3相試験開始

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2002-06-30 | コメント

2002年6月11日、Millennium Pharmaceuticals社(MLNM)は、多発性骨髄腫(血液ガン)患者を対象にしてVELCADE(MLN341、LDP-341、PS-341)の第3相試験を開始すると発表しました(2002年6月11日プレスリリース)。

VELCADEは、2002年6月6日のBioventureNewsで紹介したプロテアソーム阻害剤・MLN341のことです。開発が進むにつれて、ただの記号であった化合物は名前がつくようになります。MLN341も第3相試験の開始にあたってVELCADEという名前が与えられたわけです。名前が与えられることというのは期待の現われでもあります。

VELCADEは、2002年6月6日のBioventureNewsしたようにプロテアソーム阻害剤という新しいカテゴリーに属する抗癌剤です。既にFDAから迅速審査の対象として指定をうけており、FDAもその開発状況には期待を寄せています。

第3相試験は、アメリカ、カナダ、ヨーロッパをまたにかけ、合計600人の多発性骨髄腫患者が参加する予定です。試験では、dexamethasone(デキサメタゾン)という現時点での多発性骨髄腫のスタンダードと比較して効果を確かめます。

すでにVELCADEの第2相試験の途中結果がASCO(American Society of Clinical Oncology)というアメリカ最大のガン学会において発表されています。その結果によると、試験に参加した患者の77%がVELCADEによって症状の改善または病気の進行が抑えられました。

VELCADEは多発性骨髄腫以外にも、すい臓ガン・肺ガン・大腸ガンなどの固形ガン(血液ガン以外のガン)を対象として第1相試験が進行中です。第1相試験では主に安全性を調べますが、抗癌作用が既に確認されつつあるようです。

今後も多発性骨髄腫を対象とした第3相試験を中心にして、VELCADEの開発状況をお知らせしていきます。□□□

*多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は血液のガンの中で二番目に患者数の多いガンです。このガンでは、抗体を作る白血球がガン化して骨髄で異常に増えてしまい、正常な白血球・赤血球の生成が阻害されてしまいます。異常に増殖した白血球をミエローマ細胞といいますが、このミエローマ細胞からはMタンパク質という物質が放出され、このMタンパク質は体に様々な悪影響を及ぼします。

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