Conatus Novartisとの提携NASH薬のPh2b試験3つが全滅〜処し方の検討開始
 ・ 関連ニュースを追加しました。
Merck & CoがKen Frazier氏の後任CEO探しを始めているとBloombergが報道
 ・ Frazier氏の任期の勘違いを訂正しました(去年12月→今年2019年12月)。
世界の酒量は増え続ける〜飲酒の害を減らす目標は達成できそうにない
 ・ 参考文献の1つが間違っていたのを訂正しました(Atezolizumab plus bevacizumab .... →Global alcohol exposure ....)

分子の左型または右型のみを素早く経済的に作る方法が見つかった

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2008-06-11 | 投稿者 : yoyotaroさん
学生時代に古賀教授のもとでタイトルの研究に従事し、その後製薬会社でプロセス化学を10年やってきた者の立場から、コメントさせていただきます。

は&そさんが述べられていたように、極低温でなくとも選択性が出ている点、オキサゾリノンヒドラゾンを用いて非環状カルボニル化合物での選択性を高めている点(環状の原料と異なり立体の制御が難しい)で、ラボスケールでの合成に応用できることから、Angewandteに掲載される価値は十分にあります。有機化学ではJACSに並ぶインパクトファクターの高い雑誌です。

しかし、このままでは(有機化合物をkg〜ton単位で製造する)工業化の観点から少々課題が残ると思います。

・リチウムジイソプロピルアミド(あるいはリチウムヘキサメチルジシラジド)はブチルリチウムとアミン誘導体から調製しますが、かなり高価です。製薬の原料・製品であればコスト面で何とかなるかもしれませんが、経済性評価をすると困難なことが多いようです。商用になった時のブチルリチウムの供給源の確保も課題です。

・ルイス塩基は触媒的に使用することが困難で、今回の報文も当量以上使用することを余儀なくされています。コスト面で不利。(一方、ルイス酸はかなり触媒的に利用することが可能となっています。)

・低温の反応槽が少ないと言う点は確かです。商用化の前のパイロットの段階での実施に課題が残ります。(ただし、この点は専用設備を作るなど、商用化で対応は可能です。一般に液体窒素で冷却しますが、数百kgレベルまでなら温度管理ができないわけではありません。)

・2001年の野依先生とKnowles博士(製薬会社の方です)、Sharpless先生のノーベル賞は、不斉水素化(=還元)と不斉酸化の工業化が対象となりました。野依触媒の場合、高砂香料で実用化されていますが、基質に対して0.001%程度の使用量となります。触媒はリンとパラジウムを含む高価なものですが、使用量が少ないために十分に工業的に採算が合うのです。その後、不斉還元触媒の研究が大いに勃興する端緒となった業績でもありますね。

コストと採算性、原料供給の目処、安全性(医薬を製造する上で残留する可能性の高い物質は管理が厳重となります)の観点から、工業化を見据えていかないといけないと思います。


蛇足ですが・・・
有機合成に比べて、遺伝子組換えなどのバイオの世界の技術進展の速度が速まっているように感じます。技術が確立していない分、将来有用となる技術とそうでない技術が混在して発表されるため、そのような印象を抱くのかな、とも思います。現在いろいろな意味で苦労していますが、情報の洪水からためになることを峻別していく必要がありますからね。
バイオトゥデイで異分野のトピックスを扱っていただくことは、とても有益に存じます。議論が深まること、理解が深まること、そしておそらく見知らぬ人と知り合いになれること・・・ プロセスバイオロジストの一員として、異分野にもアンテナを張っておきたいですね。
2008-06-11 | 投稿者 : は&そさん
まずは、清宮さんの記事に対する批判に受け取られてしまうような書き方をした私の最初のコメントについて、お詫びいたします。私もBioTodayの記事のリンク先にあるDuke Univ.のニュースを読み、これは書きすぎだと思った感想を述べたのですが、大変失礼いたしました。今後は気をつけます。

そのうえで、このDuke Univ.からの発表のどこが書きすぎかという点を述べます。確かに-100℃まで下げるほどの条件ではなくなりましたが、依然0〜-40℃の低温を必要としています。この温度なら工業化(スケールアップ)は可能な範囲ですが、冷却機能のついた反応槽はそれほど一般的ではなく、また有機金属試薬を用いている点は従来技術と同じですので温度のコントロールは依然として難しいと思います。以上のことから、現時点の情報では記事(Duke発表)が主張するほど有用な技術とまでは言いにくい、と感じました。

最後の段落で、特許出願のことも書かれています。企業への売り込みという目的もあっての表現かな、とも思います。

この技術は従来よりそれほど低い温度でなくても反応が進行する、という点で、進歩があったと評価すべきだと思います。

【清宮のコメント】は&そさん詳しい解説ありがとうございます。は&そさんの最初のコメントのどこにも失礼な点はなく、お詫びの必要はありません。今後も気になさらずコメントください。

今回頂いた追加コメントでこの技術の概要が明確になり、読者の皆さんに大変有益な情報が提供されたように思います。このような議論がWEB上で活発になされるといいなと思っています。は&そさんありがとうございました。
2008-06-10 | 投稿者 : 清宮さん
コメントありがとうございます。

このこの方法が工業レベルまでスケールアップしうるという文章はこの研究を紹介したデューク大学のニュースをもとにして書きました。

その旨本文中に記載しました。

もし可能であれば、この技術の有益な部分も教えていただけるとありがたいです。
2008-06-10 | 投稿者 : は&そさん
原論文を読んでみましたが、今回紹介されている方法もかなり低温まで冷却することが必要であり、そのままの条件で反応させようとしたらとても実用に耐える(工業的規模までのスケールアップ)レベルではないと思われました。

加えて、masa-kさんのご指摘どおりこの記事で紹介されている反応はケトンのα位の不斉アルキル化に限った話です。したがって、一般的に不斉合成全体が工業的規模に使用できていなかったものを、この方法を用いればスケールアップ可能、という印象を与える紹介は、いささか過剰に感じます。

蛇足ですが、2001年のノーベル賞の受賞対象は不斉合成の発明発見だけでなく、その工業的利用も含まれていたように思います。
2008-06-09 | 投稿者 : masa-kさん
 英文の記事を読んでいるだけでは意味がよく分かりませんでしたので、20年ぶりに有機合成の雑誌を読みました。とは言っても構造式を眺めていただけですが、カルボニル基の隣の炭素(α位)をアルキル化する際に不斉合成をするようです。右とか左というよりαー又はβーかR又はS配位という表現がやはり適切でしょう。この手法はあくまでカルボニル基が必要であることは確かなようです。

以上
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