体外受精(IVF)時には培養液にGM-CSFを加えないと生まれてくる子供の脳が小さくなったり肥満になったりする
Free!女性の生殖器官から分泌される成長因子は着床前の胚の発達を促します。また着床後の胚の発達や妊娠の転帰にも影響を与えると考えられています。
University of AdelaideのSarah Robertson等は「通常の方法で妊娠した場合」「体外受精した胚を通常の培養液で育てた後に母マウスに移植した場合」「体外受精した胚をGM-CSFという成長因子を含む培養液で育てた後に母マウスに移植した場合」で、胎盤の大きさや子マウスの状態を比較しました。
その結果、通常の方法で妊娠・出産した場合に比べて、GM-CSFがない通常の培養液で育った胚の胎盤は小さく、出生時の子マウスの体重も軽くなっていました。出生時は小さいものの、GM-CSF非存在下で一定の期間を過ごしたマウスはその後肥満傾向を示し、オスマウスでは脳が小さくなっていました。
しかしGM-CSFを含む培養液で育ったマウスは、通常の方法で妊娠・出産したマウスと差がなく正常でした。胎盤も小さくありませんでした。
この結果から、GM-CSF非存在下で胚発生を過ごすと胎盤の形成や胎児の発育が障害されると考えられました。すなわち、胚発生期にGM-CSFを浴びることで正常な胎盤形成や胎児の正常な成長が保障されると考えられました。
- IVF embryos may be starved of a vital ingredient / NewScientist
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