エイズウイルスのアキレス腱となる遺伝子配列が見つかった
Free!植物や無脊椎動物は、外敵から身を守る獲得免疫にRNA干渉を用いています。しかし、哺乳類や他の脊椎動物が免疫機能の一つとしてRNA干渉を用いているかどうかはわかっていませんでした。
このたび、エイズウイルスを用いた研究から、ヒトの細胞はRNA干渉を用いた抗HIV-1感染防御機構を有しているとわかりました。
また、HIV-1は、Tatというタンパク質を用いてヒトのRNA干渉に対抗しているとわかりました。
通常、HIVは頻繁に変異を繰り返してヒトの免疫からの攻撃をかわしています。わざわざTatというタンパク質を用いてヒトのRNA干渉による攻撃をかわしているということは、ヒトのRNA干渉がターゲットとする遺伝子配列はHIVウイルスのアキレス腱であり、何らかの理由によって変異を起こせない領域であると考えられました。
今回の研究でその遺伝子配列が同定されています。この遺伝子配列をターゲットとした薬剤は、HIV感染治療・予防薬として有望と考えられました。
- Human cells can 'silence' HIV genes / EurekAlert
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