三つ子の騒音百まで
 ・ 参考文献にPERSPECTIVEを追加しました。
大うつ病患者へのNeurocrine社のAMPA受容体増強薬のPh2試験で有意効果あり
 ・ タイトルの誤記を訂正しました(Ph1試験→Ph2試験)。
先立つ治療を少なくとも1回経ている骨髄腫へのJ&JのCarvykti使用を欧州も承認
 ・ BMSのBCMA標的CAR-T・Abecmaの欧州での承認について短く追記しました。

再発/難治性骨髄腫に抗CD38抗体isatuximabが有効だったPh3試験結果の論文報告

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2019-11-18 | コメント

Celgene(セルジーン)社のREVLIMID(レブラミド;lenalidomide、レナリドミド)やプロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブのどれか)が効かず、それらを含めて二度以上の治療を経た再発/治療抵抗性(r/r)多発性骨髄腫患者の無増悪生存(PFS)がSanofi(サノフィ)の抗CD38抗体isatuximab(イサツキシマブ)を含む3剤治療で有意に改善した第3相試験ICARIA-MM結果が論文になりました。

既に今年6月のASCO年次総会で発表されている通り、isatuximab+CelgeneのPOMALYST(ポマリスト;pomalidomide、ポマリドミド)+デキサメタゾンのPFS中央値は11.5か月、pomalidomideとデキサメタゾンのみの群では6.5か月でした。

pomalidomide+デキサメタゾンにあと1剤を加えた他の治療のPFS中央値は8.6-17.7か月であり、今回のICARIA-MM試験のisatuximabを含む3剤治療は他の3剤治療と比肩するようです。ただし優越性の証明はこれからです。

isatuximabの先を行くJ&Jの抗CD38抗体DARZALEX (daratumumab) による初治療や初治療失敗後再治療が広まりつつあり、抗CD38治療の経験があったり効かなかった患者が増えています。

アポトーシス誘導能やエピトーブ結合がdaratumumabと異なるisatuximabとpomalidomide+デキサメタゾンの併用がdaratumumab治療失敗患者に有効なことが今後証明されればisatuximabの価値は一層高まるでしょう。

isatuximabは欧州や米国FDAに承認申請されて受理されており、FDAの審査結果は来年4月末までに判明します。

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