特定のホモ遺伝子変異が引き金となってRb2/p130遺伝子が後天的変化を受けやすい状態となり、肺癌細胞においてRb2/p130遺伝子が抑制状態になる
Free!癌化抑制遺伝子・Rb2/p130の変化がいくつかの癌で報告されています。しかし、肺癌において、Rb2/p130遺伝子の変異状態とRb2/p130タンパク質発現損失をリンクするデータは不足しており、また研究成果も一貫していません。
最近、イタリアのGiordano等の研究グループが、網膜芽細胞腫において、Rb2/p130遺伝子のプロモーター領域のメチル化の異常によってRb2/p130タンパク質の発現欠損が引き起こされることを解明しました(Oncogene. 2005 Sep 1;24(38):5827-36)。
この結果から、後成的なRb2/p130遺伝子抑制により、細胞周期の進行や細胞死を負に調節しているRb2/p130タンパク質本来の機能が障害されると考えられました。
同じイタリアの研究者等が、非小細胞肺癌において、後成的な遺伝子修飾がRb2/p130遺伝子発現を障害するかどうかを検討し、その研究成果を2005年9月のOncogene誌に発表しました。
研究の結果、Rb2のエクソン1に生じる特定のホモ遺伝子変異が引き金となってRb2/p130遺伝子が後天的変化を受けやすい状態となり、肺癌細胞においてRb2/p130遺伝子が抑制状態になると考えられました。
もっというと、これらのホモ遺伝子変異は腫瘍の選択的マーカーになりうると考えられました。すなわち、これらのホモ遺伝子変異の有無を調べることで癌なのか癌の前駆状態なのか等を調べられるようになるかもしれません。
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