【レポート】FDA・EMEA・製薬企業情報(Vol.1 No.6)
- 2007-07-10 - 2007年7月2日〜7月8日までの製薬業界、FDA、EMEAの主要な動きをまとめています。以下に目次と入手方法をお知らせします。 (13 段落, 536 文字)
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(先のコメントは、「No.6が自分にとってあまり重要でない内容であった。」という感想を書いたつもりです。)
希少病の規定については興味深く拝見させていただきました。明確な定義があることで、そういった商売にならない薬の開発が促進されるのはとても有意義な事だと思います。日本でもこのような動きが早くあって欲しいです。
piroxicamの記事についても面白かったです。やはりオキシカム系の長い持続時間が消化管障害に影響するのでしょうか。個人的には11種中なぜあの3剤が選ばれたのか、気になるところです。
私にとって有益だったのは、Bio Todayに比べトピックが絞られている点です。このくらいの話題数で、且つ一つ一つの容量は読みやすく、知識の基礎体力をつけるのに適していると感じました。また当局の動きをタイムリーに日本語で知ることが出来ることも、直接自身に関係がなくても大いに勉強となりました。
個人的には希少疾患についてのEMEAの記事が興味深かったです。ありがとうございました。
その昔、NSAIDsの副作用について研究していたこともあって、ピロキシカムの使用制限についての記事は印象に残りました。長年臨床で使われてきた薬剤が既存の副作用で使用制限を受けたことには驚きましたが、同効薬の多い薬剤だからこそかもしれません。このような競合の多い薬剤群では今後も同じようなケースが出てくる可能性は大いにあると思うので、注意したいところです。
希少病治療薬についても非常に興味を持ちました。これまでは、希少病と聞けば頭ごなしに難しいと考えてしまうところがありましたが、こうして数字として示されてくると、また考え方が変わってくると思います。今回のように情報を公開していくことで、患者にとっても、製薬企業にとっても良い方向に進んでいくことを期待します。
今回のレポートの中で印象に残ったのは、「毎週5つの新疾患が文献に追加されている」と書かれていたところです。「へえ〜、そんなに多くの新疾患が日々報告されているのか」と驚きました。
いろいろな名前で呼ばれていた別々の疾患が、討議の後、同一疾患として新たに統合されるようなこともあると思います。どういった疾患を希少疾患の指定要件にするかは難しい問題ですが、欧州における指定条件が規定され、公表されたことことは希少疾患研究の進歩にとって有意義なことだと思いました。
また、希少疾患とはいえ患者数は少なからず存在すること、および、現時点の疾患数と今後の患者数は異なる場合があることを認識する必要を感じています。かつて、自分が行っていた研究テーマが患者数が少なく、市場がすくないという理由で開発を中止するという決定をうけ、大いに怒ったことがあったのを思い出します。企業である以上、利益を追求するのは当然でしょうが、利益追求のみでなく疾患理解を深める努力があることを期待します。
特に、欧米の当局の動きに対して色々と新しい知見を得る事が出来ました。今後は、色々なガイドラインについて、変更や改変があった際、(今回なら希少病治療薬等の)総説的なものを提示していただければ、非常にありがたいと思います。またそういった場合は、内容によっては、実費でも是非購入したいと思います。
【清宮のコメント】ともすけさんコメントありがとうございます。第6号の内容への感想をいただけますか?よろしくお願いします。
また、効果的な薬剤が少なく、困窮度合いが高いことを考えると企業としての使命も大きいとも思います。費用面のメリットはありますが、デメリットと言えば臨床試験の難しさでしょうか。
この成分で新たな副作用が発現したわけでもないのに,使用制限の処置がとられたことに驚きました。
日本では,再審査でも再評価でも,制限処置のとられる医薬品は滅多にありません。日本の行政の考え方も変わってくるのでしょうか?
それにしても、日本のワクチン行政、事業はどうなって行くのでしょうか。今回の情報の中でも数十億、数百億円のメガビジネスとなっていることが分かります。この分野の多くの日本のワクチン関連ベンチャーが欧米での開発を余儀なくさせている状況も含め、日本の製薬企業、政府の責任は重いと思います。
なお、弊社のような高価な情報収集、分析システムを持たない駆け出しベンチャーでは、ビビッドで系統的な最新情報を安価に得られる貴サービスはありがたい限りです。今後とも利用させていただきたいと思っております。
ピロキシカムは日本で6,7年程度の実績があると記憶していますが、売り上げは横這いか減っているのではないでしょうか?消化器障害が少ないというのが当初の売り込みだったと思いますが。治験はこういった想定外の事態は脱落事例となることが多く、モニターするという機能が弱いと思います。(配慮はなされていますが)市販後の調査でしかわからないことではないでしょうか、皮肉なことですが他にも事例はこれだけではないと思います。あくまで印象ですが、この薬、消化器障害以前に効果の面で選択されないケースが多いように感じます。(不適切な表現でしたら削除願います)少ない投与回数が心理的な効果を得られにくいせいもあるでしょうか?
ヘパローマウィルスワクチンは日本で普及することにはなるでしょうか、期待が持てそうな新薬です。
海外の事例に関するレポートでしたが、EMEAはまして、FDAといった海外期間と日本の医療とのリンクは少ないように感じます。製薬企業は既に国際的な企業活動も少なくないですし、治験の分野でもハーモナイゼーションの方向に進みつつあると思いますが、実際の医療の現場にはFDAの勧告等を製薬企業が自主的にアナウンスしたことが何度かある程度ではないでしょうか?
今の抗体医薬品の主力はhumanized(ヒト化)だと思いますが、Genentechくらいの規模になると、毎日のようにニュースがありますね。「ハーセプチンの長期使用は心臓障害を引き起こす(2006.8.16)」とか、「神経疾患・RPLSに関する警告がGenentech社の抗癌剤・Avastinに追加された(2006.9.27)」とか、「LUCENTISで脳卒中のリスクが高まるという注意レターを医師に送付(2007.1.27)」など。(LUCENTISはヒト化抗体断片ですが・・・)
今は安全性に疑義のある情報だけを列挙しましたが、「有望な結果が得られた」というニュースの山の中から敢えて探し出したような感じです。これからの抗体医薬はhuman(完全ヒト)なのだろう・・・と思いつつ、海外の製薬会社の進展度合いには、感心してしまいます。
詳細はUS Orphan Drug Actをご覧下さい。一方、EUではどのように定義されているのだろう、と日々思っていたので、情報としてありがたく思います。概ね似通った内容だと思いますが、独占販売期間には違いがあり、ヒントが得られました。
個人的には、FDAによる抗体医薬Xolairの黒枠警告に興味があります。TGN1412の英国phase 1での事件以来、当局が抗体医薬の安全性について敏感になっていて、対応が早くなっていることが認識できました。アナフィラキシーは深刻ですから当然なのでしょうが、事件以前なら、はたして0.2%の副作用発現率でこのような対応があったか。翻って日本でバイオ医薬品を開発する上で、副作用報告が迅速になされるのか、興味は尽きません。もっともメガファーマであればまず外国で臨床試験を先行させるのでしょうけれど。
希少疾病といえども、例えばEMEAとFDAでデータが相互に受け入れられるようになればマーケット的には大きいですよね。
がん領域においては、分子標的薬の開発が盛んですが、この領域においても、膵癌や胆道・胆管癌や頭頸部癌なども希少病治療薬のような開発手順が踏めるようになると新たな薬剤が市場に出てくることになると思われます。
わが国でのワクチン開発は、護送船団方式で開発が行われていたと思います。今後は国内においても外資系の大手の製薬会社も開発に取り組むことになり、新たな市場として見直されてくることになると思います。その場合、混合ワクチンも承認していかないと、患者の金銭的・精神的負担は軽減されないでしょう。行政がどのような対応をしていくか見守って行きたいと思います。
しかし、日本での患者数が5万人以下と比較して、EU全体での24.6万人以下となる患者数は、かなりの規模の疾患と思われる。
グローバルな考え方での戦略ができるようになると、希少病の定義も変わり、その治療薬開発意義も変わってくるのではないのでしょうか?また、そのような方向性に進むことになるのでしょうか?
自分の業務ではまったくかかわりのないワクチンで、最近だと麻しんの流行で意識にのぼるようになったくらいですが、海外ではパンデミックへの対策も含めたくさんのワクチンが製造販売されているのですね。
日本の規制が特殊なため、海外製品が入りにくい環境にあるという話も聞きますが、感染症は国境に関係なく入り込んでくる昨今、海外の開発状況と共に日本の厚生労働省がどういう対応を取っていくのか、政治的な動きの上でも今後の動向を見守りたいと思いました。
昨年来のEPOに関する警告をはじめFDAは安全対策に重点を置いていることがよく分かります。この記事で改めてXOLAIRを調べると、医薬品安全性情報Vol.1 No.18(2003. 8. 8)で既にアナフィラキシー反応に触れていますね。更に「再発の癌が対照より多く発生した(0.5%対0.2%)」と記載されており、「XOLAIRと癌の発生に関係があるかを調査するための長期的な研究が計画されている。」とありますが、こちらの方はその後どうなっているのでしょうか。
現時点で、このFDAの黒枠付警告は「医薬品安全性情報」には紹介されていません。海外の重大な医薬品安全性情報は2,3日以内に国内でも紹介されるようなシステムが必要ではないでしょうか。
一方、本誌が詳細に報道されたことは非常に有益であると思います。
【清宮のコメント】国内でも海外の安全性情報がさらに迅速に伝達される必要があるのでしょうね。
XOLAIRの黒枠付警告はBioTodayでも以下のように簡単にではありますが紹介していました。
Genentech社の喘息薬・Xolairの添付文書にアナフィラキシーに関する黒枠警告が追加された
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=20648
Xolairへのアナフィラキシーに関する黒枠警告の追加をFDAがGenentech社に要請
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=18136
アナフィラキシーは抗体に限ったことではなく低分子でも起こることなので、注意喚起がより鮮明に打ち出されたのは良いことです。症例が集まると治験では分からなかったことがどんどん出てくるんですよね。勉強になりました。ありがとうございました。
さて、以下、Vol.6、No.6の感想です。
抗体医薬は、低分子化合物に比べると、その効能はともかくとして、より安全な医薬品として考えられている。今週号では、抗ヒトIgE中和抗体であるXOLAIRのアナフィラキシー反応についての黒枠付警告の記事が出ている。発現率が当初の0.1%以上との判定から、その後の解析により0.2%とほぼ倍増したとのことである。
非臨床安全性評価を生業とする私としては、抗体医薬の副作用を「動物を用いる」毒性試験で把握することは最も困難なことの一つだと実感している。毒性試験に用いる動物は、組織交叉性試験などの結果から、たいていの場合、サル(カニクイザル)になるが、マウス抗体、ヒトキメラ抗体、ヒト化抗体、そしてヒト抗体とそのタイプがヒトに近づけば近づくほど、動物から得られるデータから、ヒトにおける副作用を予想することは困難になる。
結局、抗体医薬といえども、他の低分子化合物同様、最初から慎重な態度で臨床開発を行い、かつ、市販後調査をしっかりと継続しなければならない、ということであろう。
昨年のCD28抗体の臨床第1相試験を考えると、ますます、その感を強くする。やはり、抗体医薬は、医者に行き、気軽に処方してもらうというわけにはいかないようである。
ところで、ふと気になったのであるが、アナフィラキシーショックは時に死に繋がる重篤な副作用であるが、その発現率がどの程度低ければ問題視されないのであろうか。一般に、ベネフィット(効果)がリスク(副作用)を上回れば、それは医薬として市場に提供できると判断されるわけであるが、その線引きの具体的基準がよくわからない(もちろん、重篤な副作用が必発するような極端な場合は別である)。
希少病治療薬の指定要件等公開についての記事を読むと、全ての病気に対して医薬品を揃えるという当局の強い意志を感じる。
「感想」には、CEREBLEXやVIAGRAのような製品が、主薬効取得後に希少病の効能取得していることを一つの戦略として参考になると記載されている。ここで言う戦略とは、何のための戦略なのか、とへそ曲がりの私は考えてしまう。
主薬効は企業収益に対する最大効果を生じせしめるため、その薬価はそれなりに考えて付けているはずである。その後、患者数が極めて少ない疾患の治療薬として承認を取るわけであるが、その薬価をどこに設定するかを考えると、すでに薬価がついているので、それほど高いものにはならないのではないだろうか。(一物2価は批判されやすいし、ましてや医療費抑制という流れを考慮すると、当局に対する下手な主張はマイナスになる可能性もあるだろう。)
とすれば、わざわざ希少病に対する承認を取りに行く目的は、その製薬企業の「社会奉仕」と考えるのが妥当だろう。つまり、企業のイメージ戦略として理解するとわかり易いとへそ曲がりの私は得心してしまう。ところで、希少病から一般的な病気に対する適用をとっていったという「逆の例」はあるのだろうか、とふと思ってしまった。
【清宮のコメント】ご自身の体験を踏まえた感想、大変参考になります。ありがとうございます。
さて価格についてお答えします。5000円というのは1報あたりの価格であり、年間の価格ではありません。将来的には年間購読も募りたいと思いますが、もう少し時間を下さい。
いずれにしても、有料会員様には「FDA・EMEA・製薬企業情報」を有利な条件で提供していく予定です。
今後ともよろしくお願いします。
国内おいては、このような条件がないため、実際、オーファン指定されて上市されている品目をみてみると、相当の売上をあげているものがありますよね・・・。患者数は少なくとも、高薬価で長期使用の場合には、相当に売上と利益に貢献することになりますよね。
メロキシカムは、本来ならCOX2選択性が高いはずだったのに、消化器障害が他の非選択性NSAIDsより多くて、唯一第一選択から外されたというのは意外でした。
今号で一番印象に残ったのはピロキシカムの使用制限の記事です。
業界でも話題になっていましたが,今後,NSAIDs以外での見直しも進みそうな予感がします。
EUの希少疾病用医薬品指定要件の記事もなるほど,と思わされるものでした。
企業の人間としては,こういった制度を最大限利用すれば採算がとれるのか,それともCEREBLEXやVIAGRAのように売れることが分かっていなければ厳しいものなのかが気になります。
タミフルについては,各国のパンデミック対策の要望に応えて生産量を上げたり,新製剤を導入したりしているようですが,こういったことはどのように決まっていくのか(例えば政府からまず打診があるのか,開発費用は全て企業がもつのか,等)興味があります。
既に上市されているNSAIDs以外ものであっても,この様な安全性基準のレベルアップによって,使用制限が課されるものが出てくる可能性が考えられることから,上市品のみならず今後開発していく新規化合物についても,副作用に関しては十分な対応が必要になってくると感じられました.
似ている人種のバックグラウンドがあれば、稀少疾患に関してはEUのような国際的枠組みを作ってもよいとおもいますが、経済格差があると難しいですかね。
つまり、「希少」と言われている疾患の潜在患者数は決して「希少」ではないことになる。数年先には「希少疾患」が「希少」でなくなり、分類された疾患が大きく入れ替わる可能性もある。
EMEA、EUもこのような現状を認識していると思われるが、このあたりも加味された指定用件として適切かどうか、意見は分かれるところであろう。