ダウン症遺伝子の発見・REST
Free!2002年2月7日
ダウン症遺伝子の発見。英国ケンブリッジ大学(University of Cambridge, University College London and the University of Wisconsin-Madison)の研究者等が、ダウン症に関わる遺伝子を発見した。結果は、Lancet 2002 Jan 26;359に発表された(Neuronal target genes of the neuron-restrictive silencer factor in neurospheres derived from fetuses with Down's syndrome: a gene expression study)。
ダウン症で死亡した胎児と正常な胎児の神経組織で、遺伝子の違いを調べた。その結果、ダウン症の胎児の神経組織ではSCG10という神経細胞に特異的に存在する蛋白質の遺伝子の発現が検出限界以下となっていた。このSCG10という遺伝子は神経細胞に局在するRESTという転写因子によって制御されている。そこで、RESTによって制御されているSCG10以外の蛋白質の発現を調べてみたところ、ダウン症の場合は、SCG10と同様に発現が低下していた。一方、REST以外の転写因子で制御されている蛋白質は正常に発現していた。
以上の結果から、RESTとダウン症に関わる神経細胞の変性に相関があるとわかった。
RESTの働きを抑制すると神経細胞死がおこる。RESTによる神経細胞死がダウン症児で特定の神経細胞が脱落していることに相関がある可能性が高い。
△Stem Cell Study Provides New Clues To Origin Of Down Syndrome
http://www.sciencedaily.com/releases/2002/01/020131073741.htm
△Neuronal target genes of the neuron-restrictive silencer factor in neurospheres derived from fetuses with Down's syndrome: a gene expression study. Lancet 2002 Jan 26;359
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=11830198&dopt=Abstract
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