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Noven社 アメリカFDAの諮問委員会が注意欠陥多動性障害(ADHD)治療パッチ製剤・Daytranaの承認を支持

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2005-12-03 | コメント

12月1日にアメリカFDAは「安全に販売できないのでメチルフェニデートのパッチ製剤は注意欠陥多動性障害(ADHD)の小児の治療薬として承認されるべきではない」という見解を発表しましたが、翌日12月2日、FDAはこの意見を180度変更して「メチルフェニデートのパッチ製剤はADHD小児に対して安全に使用できる」という見解を発表しました。


FDAの諮問委員会に対してFDAは、最初に思ったほどShire社とNoven社のパッチ製剤・Daytrana (methylphenidate transdermal system)は危険ではないと説明しています。

FDAのレビュアー・Robert Levin氏は「したがって、現時点ではこのパッチ製剤を承認について検討することを推奨する」と言っています。

木曜日に公開された資料でLevin氏は、副作用のリスクがあるのでこのパッチ製剤は承認されるべきではないと主張していました。

木曜日のFDAの見解を受けてNoven社の株価は20%も下落しました。朝令暮改ともいえる金曜日のFDAの見解を受けて、NasdaqはNoven社の取引を中止しました。

そして注目の諮問委員会の結果ですが、FDAの金曜日の見解に沿う形で、FDAの諮問委員会は条件付でDaytranaの承認を支持しました。

FDAは諮問委員会に対して次の2点をレビューするように要請していました。

1)DaytranaはADHDの治療薬として有効か?
2)DaytranaはADHDの治療薬として安全か?

1)については、諮問委員会は満場一致でDaytranaの有効性を支持しました。2)については、安全であることは満場一致で確認されましたが、市販後臨床試験の実施をFDAに要請しました。また、Daytranaを使用する前に経口のADHD製剤を使用を考慮すべきとFDAに提言しています。しかし経口のメチルフェニデート製剤が使用できない患者にのみDaytranaの使用を許可するという案は11対1で否決されました。

Noven社とShire社の株価の推移は以下のような感じです。



Levin氏の朝令暮改の朝令の部分のコメントを受けて木曜日にNoven社の株価は下落しました。

Noven社は金曜日に取引中止となっていますが、Shire社は取引されていました。諮問委員会は金曜日の早い時間に開催されて、その結果は午後の早い時間に発表されています。諮問委員会の結果を受けてShire社の株価が上がっているのが分かります。

Levin氏は意見を180度変えたことについて、各種メディアやFDA諮問委員会に対して以下のようなコメントを残しています。

This won't be the first time people changed their mind along the way(こういう意見の変化はよくあることさ)

I have reconsidered this (earlier) recommendation for a number of reasons. I think some of the safety concerns remain, but they seem to occur to a lesser degree(いくつかの理由により、最初の提案を考え直したところ、安全性でいくつかの懸念はあるものの、それらが発現するリスクは低いようだった)

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