制酸剤を使っている人は下痢や大腸炎を引き起こすクロストリジウム・ディフィシレ感染症に罹りやすい
Free!UKのGeneral Practice Research Database (GPRD) のデータを用いた研究で、プロトンポンプ阻害剤を服用している人はそれらを服用していない人に比べておよそ3倍クロストリジウム・ディフィシレに関連した病気になりやすいという結果が得られました。
クロストリジウム・ディフィシレ感染は下痢や大腸炎といった症状を引き起こします。
プロトンポンプ阻害剤より弱い制酸剤・H2受容体アンタゴニスト(H2ブロッカー)の使用者もクロストリジウム・ディフィシレ感染による病気に罹りやすくなっていました。H2ブロッカー服用者ではクロストリジウム・ディフィシレ関連疾患におよそ2倍罹りやすくなっていました。
また、鎮痛剤NSAIDを服用している人は1.3倍クロストリジウム・ディフィシレ関連疾患に罹りやすくなっていました。
クロストリジウム・ディフィシレ感染症は院内や老人ホームでの感染が主でしたが、最近では院外でも多く認められるようになりました。
今回の研究で、クロストリジウム・ディフィシレ関連疾患を患ったヒトのうち70%以上はその前の1年間で病院を受診したことがありませんでした。また、クロストリジウム・ディフィシレ関連疾患に罹る前の3ヶ月間で抗生物質を服用していたのは50%未満でした。
すなわち、これまでの定説とは異なり、クロストリジウム・ディフィシレ感染症は院内環境から既に院外へと広まっており、抗生物質の使用がその広まりの原因の全てではないと考えられました。
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