Abbott社 クローン病の治療薬としてHUMIRA (adalimumab) を販売することがFDAに承認された
Free!2007年2月27日、Abbott社は、TNFアンタゴニスト・HUMIRA (adalimumab) の適応に中等度〜重度の活動性クローン病の治療を追加することがアメリカFDAに承認されたと発表しました。
Abbott社は、従来の治療で十分な効果が得られない中等度〜重度の活動性クローン病成人の臨床緩解を誘導・維持したり、これらの患者の症状・徴候を緩和する薬剤としてHUMIRAを販売することができます。
また、クローン病の生物学的治療・infliximabに対する効果が消失した中等度〜重度の活動性クローン病成人またはinfliximab治療に不寛容な中等度〜重度の活動性クローン病成人の臨床緩解を誘導・維持したり、これらの患者の症状・徴候を緩和する薬剤としてもHUMIRAが使用できます。
2019-11-15|クローン病
+ マクロファージ内で休むクローン病関連大腸菌に抗生剤が平気な面々が集う
2019-03-31|クローン病
+ バイオシミラーCT-P13のクローン病治療がinfliximabに劣らないことをPh3で確認
2018-01-16|クローン病
+ LRRK2遺伝子変異2種がパーキンソン病との関連と同じ方向性でクローン病と関連
2017-11-21|クローン病
+ 腸内細菌のウレアーゼの炎症性腸疾患への寄与が示唆された
2017-11-06|クローン病
+ 腸炎症指標も加味した抗TNF薬治療強度引き上げでクローン病治癒率がより改善
今までのヒューミラでのインフリキシマブ効果不応例でのデータは忍容性がない患者も含めた解析ですので、先のような記載をして良いのか疑問です。その上、単なるオープン試験や比較と言っても厳密なものではなかった印象です。CDでの効果は関節リウマチ(RA)よりプラセボ効果(自然緩解)もあるので同じ系統間の薬剤で差を出すのは至難のわざと思われます。ましてや症例数も少ないのであれば当然です。
RA領域でもTNF阻害薬間でのお互いの切り替えデータを出して自社の薬剤に切り替えることがよいというデータを出しています。勿論、オープン試験で、すごいバイアスが掛かったデータです。この時の対象も不応例と忍容性がなかった患者を一緒にしています。分けて解析すると例数が減少するのであまり強調できる内容ではなくなります。このようないい加減なデータからか海外のレビュー(医療ネット上)では効果不応例でのTNF阻害薬間での切り替えを推奨しているものはありませんでした。
ヒューミラなどもHAHA(抗ヒューミラ抗体)産生が20%弱あるというような論文もあるところから、これらの薬剤の切り替えの際(不応例)薬剤濃度或いはHAHAやHACA(抗インフリキシマブ抗体)などはその抗体産生能を検査をすべきかと思われます。何せこの薬剤は高いので安易に切り替えを行うと患者さんにお叱りを受けるのではないでしょうか。
最終的には添付文書を読まなければ分かりませんが、通常の考えでは会社の姿勢はおかしく感じられました。勿論、その記載をFDAが認めたとなればFDAの姿勢に疑問を感じえません。
以上