中心扁桃体でのcAMP-responsive element-binding protein (CREB) 機能の低下は、アルコール好きラットの高不安状態と過剰な飲酒行動の維持に関与している
Free!中心扁桃体でのcAMP-responsive element-binding protein (CREB) 機能の低下は、アルコール好きラットの高不安状態と過剰な飲酒行動の維持に関与していると考えられました。
アルコールを好まないラット(NP)に比べて、アルコール好きのラット(P)ではCREB、リン酸化CREB、neuropeptide Y (NPY) のレベルがcentral扁桃体(CeA)とmedial扁桃体(MeA)で最初低値を示しました。一方basolateral扁桃体(BLA)ではこれらの物質のレベルは低下していませんでした。
PラットはNPラットに比べてベースラインで不安様行動を示し、アルコールを大量に摂取しました。エタノール注射または自主的な飲酒は、Pラットの高不安レベルを緩和しました。またエタノールはPラットのCeAとMeAでのCREB機能を上昇させました。一方BLAは影響をうけませんでした。
PKA活性化剤・Sp-cAMPまたはNPYを注入するとPラットのCeAでのCREB機能が亢進しました。
一方、NPラットは、エタノールが注射されたり自主的に飲酒したりしても、扁桃体のCREB機能の活動は変化しませんでした。
興味深いことに、NPラットのCeAにPKA阻害剤・Rp-cAMPを投与すると、不安症状様の行動が惹起されアルコール摂取量が増えました。PKA阻害剤はNPラットのCeAにおけるCREB機能を低下させました。
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