活性型ビタミンD・カルシトリオールとNSAIDの併用は前立腺癌の治療法として有望
Free!太陽の光で活性化したビタミンD・カルシトリオール(Calcitriol)は前立腺癌細胞の増殖抑制作用があります。
このたびカルシトリオールは、前立腺癌の増殖促進因子・プロスタグランジン(PG)の代謝に関わる遺伝子の発現を調節していると分かりました。
まずカルシトリオールは、PG合成の鍵となる酵素・プロスタグランジン・エンドペルオキサイド・シンターゼ/COX-2のmRNAとタンパク質の発現を有意に抑制しました。また、PGの代謝を誘導する15-hydroxyprostaglandin dehydrogenaseの発現を促進しました。
上記2つの作用により、前立腺癌細胞にカルシトリオールを投与すると溶媒中へのプロスタグランジンE2の分泌量が低下しました。
またPGのレベルを下げるだけでなく、カルシトリオールはPGの受容体であるEP2とFPのmRNAの発現も抑制しました。
以上の事実を踏まえ、カルシトリオールとCOX酵素の阻害剤・NSAIDを同時に投与したところ、相乗的な効果が発揮され、それぞれを単剤投与した場合の2-10倍低い濃度で前立腺癌の増殖を有意に抑制することができました。
この結果から、カルシトリオールとNSAIDの併用は前立腺癌の治療に有望と考えられました。2剤を併用すると投与量を低く抑えられ、毒性を低く抑えられると考えられます。
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